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5月”新緑の候”に出会った”新緑”のような男の子は。

5月の出会い
妄想

”新緑”はまるで男の子みたい

ピンク色に染まっていた桜の木が、完全に緑になるこの”新緑”の季節。

桜の木はまるで女の子のよう。花が咲いている時は女の子、葉っぱが緑になると、男の子みたい。もっと詳しく言うと、桜が咲いている時はちょっと恥ずかしがり屋な、可愛らしい女の子。一方で、しっかりとした葉っぱが集合し力強い緑になると、包容力のある男の子。女の子の時のようにちやほやされないけれど、遠くから静かに全てを見ていて、何もかもを見通している感じ。木の下に入れば、木漏れ日が優しいように、近くに行ったら爽やかに笑い、深く包み込んでくれる、桜の木の新緑はそんな男の子。

今回はそんな秘めた笑顔と包容力がある、”新緑”のような男の子との妄想です。

私の心を癒してくれる”新緑”は

あんなに可愛らしくピンク色に染まっていたのが嘘のように、緑色の葉っぱをつけた桜の木。今年も”新緑”と言われる季節がやってきた。もちろん女の子のようにかわいい桜も好きだけれど、それとは正反対の、桜の木が緑の葉っぱに覆われて、男の子のようになるこの時期もお気に入り。遠くで見ていると強そうなこの時期の桜の木だけれど、下に行くと日の光を受けて、葉っぱが優しく微笑んでいるようにも感じるし、大きく広がった葉っぱが、優しく抱きしめてくれているようにも感じることができる。

家の近くの桜並木が続く土手を歩きながら、改めてこの季節が来たことを感じながら歩く。ふと立ち止まり、上を見上げれば、木漏れ日が私の心にかかった雲に、光をさしてくれる。そしてさらに、葉っぱたちが私を包み込んでくれているような感じがした。

私の心が最近、曇り空な理由。それは大学3年生になり、就活に関する行事が学校で始まったから。始まっただけならいいのだが、自己分析とか自分について考えることが多く、そこで私は重大な点に気づいた。

私は特に特技やアピールできる点、さらにやりたいことまでないことだ。

周りが自分の強みを生かして、やりたいことを絞り始めている中、自分だけ欠陥商品な感じがしてしまい、モヤモヤした毎日を過ごしている。

誰かに話したいが、話したら自分には何もないことをもっと痛感するような気がして怖かった。そんなどうすることもできない気持ちを、緑の葉っぱがついたなんだか頼もしい桜の木だけは、全てを悟ってくれているような気がした。

突如現れた、”新緑”のような男の子

次の日も同じように、私はモヤモヤした気持ちを晴らそうと土手に行き、木の下に座ってぼーっとしていた。すると後ろから名前を呼ばれた。驚いて振り返ると、時々同じ授業を取っていた森くんだった。もちろん授業では話したことがあるけれど、特別に仲が良いわけではない。それに人懐っこい感じではないので、気軽に喋るという感じではない。そんな森くんに話しかけられたことにびっくりした。

「あ!森くんも、家この辺って言ってたっけ?」
「そう。こんなところで何してるのかなと思って。」

特別に笑顔というわけでも、怒っているというわけでもなく、淡々とそう言った。ちょっと間を置いて、私は自分の悩みを話すことにした。あまり自分のことを知らない人の方が、案外簡単に話せたりする。というか、話したい。そんな気分になったからだ。

一通り話し終えて、森くんからの返答を待つ。頭上では葉っぱが風に吹かれて、かさかさと乾いた音を鳴らし、私たちを見下ろしていた。

「強みあると思うけど、自分では気づいてないだけじゃない?」
「え?何?」
「授業でディスカッションした時とか、いつも自分の意見を積極的に言えてたじゃん?それに決められたわけじゃないけど、司会みたいなポジションで、うまくみんなの意見を引き出せてたじゃん。どっちもバランスよくできるのって充分強みだし、社会に出てからも役立つと思うよ。」

こんな返事が返ってくると思わなくて、私はゆっくりと森くんが言ってくれた言葉を、頭の中で理解した。そんなの自分で気づかなかったけど、それって強みなのだろうか?そんな私の考えを見透かしたのか、森くんが続ける。

「強みって何かが得意とか、何ができますって必ずしも一言で表せるものだけじゃないよ。俺は授業が一緒なだけだったけど、さっき言った以外にも、たくさんいいところあると思うよ。」

そう言って彼は笑った。初めて見る彼の笑顔に、釘付けになる。そしてその笑顔には不思議な包容力があるのか、曇って冷えていた私の心に、光と暖かさを与えた。

「そ、そうかな?ありがとう!ちょっと元気出たかも!」

率直に言ってくれたことと、言葉にできない何かが私の中に広がったせいで、なんだか恥ずかしくなってしまった。けれどすごく嬉しい言葉だ。

「よかった。」

そう言って彼は土手の上に、両手を広げて寝転がる。男の子だから当たり前かもしれないが、腕には程よく筋肉がついていて、手も大きい。

 

言葉にできない何かのせいで、さっきから心臓がバクバクしている。

 

とりあえず、と、私も同じように、寝転がる。視界には私の好きな、優しい笑顔で包み込んでくれるような新緑。

それはまるで、私の隣にいる森くんそのもののようだなと思ったし、近寄りがたい感じがしたけれど、話してみたらそんなことはなかった。彼の笑顔は木漏れ日を受けた葉っぱのように優しかったし、大きな腕と手は、まるで抱きしめてくれるかのように広がった葉っぱと枝のようだ。

そして私はさっきから私の中にいる、言葉にできない何かの正体に気づいた。多分、これは恋だ。新緑のように包み込んでくれる彼に、私は恋をしたのだ。

”新緑”のような彼は、きっと支えに

「新緑はまるでこんな男の子みたい」っていうのはあくまで私のイメージ。それでも実際にこんな男の子がいたら、すごく支えになってくれると思うのです。

日々いろんなことに挑戦して、悩んでいる私たち。きっとこれを読んでくれているあなたも同じ。こんな私たちを、全力で応援するというよりかは、必要な時に必要な言葉だけかけてくれ、あとは笑顔と、できれば筋肉のついた腕で包み込んでくれる新緑のような男の子がいたら、大抵のことは乗り越えられそうです。

 

新緑の候…若葉が青々と茂り始める頃・茂った様子 夏の季語・挨拶文などの枕詞

 新緑
初夏の頃の若葉のみずみずしい緑色であり[1]、その立ちをも指す[1]枯れしていた木が芽吹いていよいよ鮮やかな緑色の葉を茂らせる、その現象に着目して表した漢語である (wikipedia.)

かなこ

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ファッション誌もマンガも、モード系もかわいい系も、和食もスイーツもなんでも好きなレインボーガール。バイブルは”ゴシップ・ガール"。“女の子の心にトキメキを届...

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