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よく行くカフェに、まさかの出会いを求めてみた。

カフェでの出会い
妄想

休日に一人、仕事終わりに、なんとなくぼーっとしたいときに。カフェでの過ごし方は人それぞれだから、背景だって人それぞれだ。あの人も、あの人も、あの人も、もしかしたら同じ悩みを抱えて、ため息をついたのかもしれないし、もっと深刻かもしれないし、きっとその人にしかわからない悩みなのだと思う。

かくいう私だって。

前をむくのに必要なのは?

うわ・・まさにこれをイケメンって言うんだろうな・・。今、私の目の前にはすらっと背が高い男性が立っている。
鼻筋も通っていてさらに目もくりっとしているので、可愛らしさも混じったイケメン店員さんだ。周りの人とのやりとりを見ていると、最近入ったアルバイトらしい。

なぜか少し緊張しながら、いつも頼んでいる抹茶フラペチーノを注文した。財布からお金をだそうとしたその時だ、

-あれ・・?なんかめちゃくちゃ見られてない・・?-

やけに視線を感じる。ふと顔を上げてみたがイケメン店員さんはまったく違う方を見ていた。

-気のせいだよね・・。さっきの視線を感じたのは何だったんだろう・・。-

お会計を済ませ、1階のテラスでゆっくりしていた。今日この行きつけのカフェに来たのは、このフラペチーノが飲みたかったからじゃない。

このカフェで彼氏と会う約束をしてた。時刻は2時40分、待ち合わせは2時半だったけど彼が遅れることはよくあることだ。
景色をぼーっとみながらふと、過去の記憶がよみがえる。
前彼の家に行った時、明らかに自分のものではないイヤリングを見つけてしまった。彼の行動には前から気がかりな点が多かったけれど、気にしないことにしていた。
でもそれも、もう無理かもしれない・・。

そんな事を考えているうちに、いつの間にか1時間も経っていた。店内も混んできたので一旦外に出る。

着信音が鳴ったような気がした。きっとあの人からだ、今どこにいるんだろう。
そう思いながらメールをチェックすれば、

-ごめん。今日急用ができていけなくなった。また埋め合わせする。-

-そもそもこのデートが埋め合わせの埋め合わせだったんだけどなぁ・・。これじゃあ次のデートは埋め合わせの埋め合わせの埋め合わせ・・。-

そう思ったら涙がポロポロと出てきた。もうきっと彼との関係は終わりにした方がいい。次会う時、きっと私は別れ話をされるだろうし、私もそのつもりだった。

それなのに、

-うそ、全然涙止まらない。-

-どうしよう、こんなところで泣いてたら変に思われる。-

とりあえず今日はもう帰ろう・・。そう思って涙をぬぐった瞬間、

「あの・・お客さん。」

後ろから声がして振り返ると、そこには私服姿あのイケメン店員さん。

-泣いているの見られた!どうしよう!-

そう思った次の瞬間、

ギュッ

-え、何・・?-

一瞬で私はパニックになった。気が付くとイケメン店員さんが人目もはばからず私を抱きしめていた。

「え・・・」

声にならないくらいの驚きを出した私に、店員さんがささやいた。

「ごめんなさい。つい・・。」

そう言いながら彼の顔は真っ赤になっていた。

-可愛い・・-

彼の顔を見た瞬間、思わず、そう思ってしまった。自分の顔が少し綻ぶのがわかる。

「あ、笑った!」

そう言ってニコッと笑った彼の顔が可愛くて、私もニコッと笑い返す。

「良かったら、この後どこか行きませんか?俺もうあがりなんです。」

一瞬彼の顔が頭をよぎったけれど。でもきっともう、私と彼の間には、もいう何もない。
そう思って

「・・・・・・・・・・はい。」

そう答えれば、彼は、真っ赤になった顔をくしゃくしゃにして笑った。

ないとわかっているのに、今日もちょっとだけお洒落をしていってしまう。

こんなこと、まあない。わかっているのに、チェーン店であってもちょっとだけ姿勢を伸ばして座るのは、飲み物を受け取るときにんちょっと高い声でお礼を言ってしまうのは。
バカだなあと思いつつ、常識だよ、と思いつつ、それでもやっぱりちょっとだけ、気になってしまう、そんな私がいる気がする。

winkey

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ゴーストライターです。(なんてね)女の子でよかったーーー!

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